ハゲてるだけで人は死にたくもなるという話

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思想・哲学

私はまだ世間一般では若い方の部類だろう。

だがしかし、年々と生え際が後退している実感がある。

私のハゲ物語は遡ること中学時代から始まった。

美術の授業中に何気なく髪をかき上げたら、同級生から「ハゲてるやん!」とご指摘を受けたのだ。

たしかにおでこは広いが、ハゲてるだなんて失礼にもほどがある。

ナイーブだった中学生の私はそれ以降、毎日おでこを気にするようになった。父の育毛剤をかけたりもした。全く効果がなかったし、使っているのがバレたらしこたま恥ずかしいのですぐにやめた。

私は剣道部だったこともあり頭皮が群れやすく、中学校はなかなか荒れていた学区だったので日々のストレスも多かった。さらに深夜ラジオにハマっていたせいで睡眠時間は短く、さらにさらには母の手料理がまだ発展途上であり美味しくなくあまり栄養を取っていなかったせいか生え際が順当に後退していった。

高校生になっても同級生にいじられていた。私は死にたくなった。

「なんで!?まだ高校生なのに!」と毛根を恨みに恨んだ記憶がある。ただ誰のせいにもしていないの自分が優しい。特に自転車登校だったので、ヘルメットもかぶらない私の髪は登下校で悲惨な状態だった。

中高は頭髪検査というハゲの天敵がいたのでしょうがなく髪を定期的に切らざるを得なかった。床屋嫌いなで人見知りな私は理髪師に「短くしてください」としか注文できなかったので、案の定生え際のハゲを隠せないほど短く切られていつも焦りに焦っていた。またプールの授業では素早くハゲを隠さないとまたいじられるので気が気でなかった。

鏡を見るたびにい死にたいほどつらかった。

大学生になるとうまい隠し方を見つけたし、頭髪検査がなかったので髪は3~4か月に一回しか切らなかった。それに学生時代から通っている床屋がハゲに忖度してくれているのかいい具合の長さで薄毛を隠してくれるのでありがたい。

しかし、ひょんなことから私のつむじが映った写真を見て衝撃を受けた

「つむじも怪しいじゃねえか…」

どうしてもハゲが嫌だった私はとうとう薬に手を出した。

そいつの名はフィナステリド。薄毛の進行を止める薬だ。

その薬を手に出すまで、ワカメを食べたり、頭皮をマッサージしたり、ペペローションを生え際に塗りたくったり(ローションの成分が毛にいいという情報を元にした)、シャンプーを使わない湯シャンなるものを試したりと眉唾物のハゲ対策に手を出したがまるで効果などないので藁にもすがる思いで薬に手を出したのだ。

確かそのフィナステリドは1ヶ月分で5000円ぐらいした気がする。貧乏大学生には痛い出費である。

1年は試したがまるで毛が生えてこない。当然だその薬は薄毛の進行を止める薬なのだから。

私はとうとう毛が生えてくる薬ミノキシジルに手を出した。

医師からは「厚生労働省からの認可は受けていない」という説明文を見せられビビりにビビりりまくった記憶がある。そんな危ないもんを高けえ金を払って飲めるか!と思うのが普通の人間だが、薄毛の人間はどんな副作用があろうと毛が欲しいのである。私はその薬を摂取し始めた。

しかし、副作用からかプラシーボ効果からか心臓の鼓動が速くなった気がして怖くなった私はすぐに飲むのを辞めた。

それからというもの薄毛はゆるやかに進行していき、毎日ハゲ隠しに必死である。外に出ればその都度髪型を気にし、町のウィンドウや車の窓の反射を利用して髪型をチェックする癖が抜けない。

たかがハゲと笑う人もいるかもしれないが、薄毛は猛烈に死にたくなる。それは男女に差はないはずだ。経験した者にしか分からない、この辛さ。この国には年間3万人自殺者がいるだろうが、薄毛が原因で死んでいる人も0ではないのではないか?それぐらい薄毛は辛いということを分かってほしい。

なのでハゲを笑うのはよくない。日本のお笑いではハゲをネタにする風潮はなくならないが、やはりそれはフィクションの世界での笑いであって、現実でハゲをいじり笑い倒すべきではない。それはいじりではなく言葉のナイフなのだから。

ハゲはAGAという立派な病気である。特に若年層への薄毛に保険適用をさしあげてほしいと切に願います。ハゲの味方をしてくれる政党には政治の信条、イデオロギーが違っても投票したい。政治家の皆様ハゲの見方をすれば票を取れますよ!?

若年層のハゲに保険適用を認めろ!

以上、ハゲの思想でした。

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