無職時代、ギャンブル中毒に片足を突っ込んでてヤバかった話

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日記

※株のトレードをギャンブルかの様に表現していますが、あくまで株式投資は「投資」です。しかしながら、私はギャンブル的なやりかたで取引をしていたので。あえてギャンブルと表現しています。

某メジャーリーガーの通訳がワイドショーで散々擦られているのをみて勝手にこの人はギャンブル中毒なのだろうか?ギャンブル依存症ってコワいな~なんて他人事のように考えていたが、ふと思い返すと私も片足を突っ込んでいた身であることを思い出した。

私は長らく無職をしていた時期があった。

実家暮らしだったので生活費はかからないが、通院費と税金代だけは自分で支払っていたので、貯金を切り詰めていた。

どうしても外に出て人と一緒に働くことができないと思い込んでいたので、なんとか在宅でできる仕事を探していた。

そこで出会ってしまったのが、株のデイトレードである。

そいつは「在宅でできる」「(めちゃくちゃざっくり言えば)パソコンをポチポチするだけ」「特別なスキル不要」「誰にも指示されない」「実力の世界」など私の性格にピッタリ合っていた。

私はすぐさま貯金の7割ほどを証券口座に移しトレードを始めた記憶がある。

一応来月の支払い分ぐらいの預貯金は残しておいた。まだ理性があった頃だ。

エクセルで皮算用をする。「複利こそ最強の発明だ!」などと誰かの言葉を借りて宣い、「これで人生をやり直せる!」とめちゃくちゃポジティブ思考でトレードの世界に踏み込んだ。

しかし、これが地獄の始まりだった。

最初は小額から負けた。数百円、数千円レベルだ。

お金を失うというのは誰しもが嫌なのでこの頃は損切も早かった。

だがしかし、損切を繰り返していくとやがて数千円ぐらいの損失ならそんなに気にしなくなってしまうのである。そしていつしか負ける額も増えていき、日に総資金の10~20%を失うこともざらにあった。なにより「一時的に株価が落ちただけだ」だの「大口機関が売らせようとしているに違いない」だの色々と言い訳を考えて株価が急落してもどうせまた元に戻って急騰するという妄想を捨てきれずにホールドする。そして結局株価は戻らず大損をこいて泣く泣く売ることになるのが常だった。

また次に良い流れが来ると妄想を捨てきれないのが株、いやギャンブルの恐ろしい所である。

反対に私は時に数分、下手したら数十秒で数万を稼ぐ経験を何度もした。その時の脳汁の出具合は凄まじいものがあったのだろう。興奮と緊張と早く利益確定をしたい焦りで体、特に手は震えに震え、脇汗は止まらない。そして利益が出たときの興奮たるや!

勝ちの経験が負けの経験を忘れさせてしまう。買ったときの興奮を味わうために私はどんだけ負けてもトレードを続けた。もうすでにここでギャンブル中毒なのかもしれない。

そんな生活を続けていたら資金が底をついた。なので仕方なくバイトを始めた。
お金を稼ぐためにやっていたギャンブルがいつのまにかギャンブルをやるためにお金を稼ぐようになっていた。本末転倒である。


もちろん、私は月に最低限必要なお金を残しそれ以外はすべてトレードにぶち込んだ。
それでも負けに負けてバイト代は吹き飛び、一向に生活は好転しない。

それでもあきらめきれず、日夜独自の必勝法なるものを編み出しては「次こそ必ず勝てる」と思い込んでいた私は母に金を借りようと何度も請願した。しかし、絶対に貸してはくれなかった(借してくれなくてよかった。借りていたらきっと破門にされていたであろう。今では感謝している)

もし万が一私に信用があり、消費者金融で金を借りていたら確実にアウトだった。

借金をしてまでやろうとする時点でもうギャンブル中毒のそれだった。

もうこんな負け続ける生活は辞めたいと思う自分と今日こそは勝てる!と謎の自信を持ちやる気満々の自分がせめぎあい、結局トレードをやってしまうのである。

どうせ負けるとどこかで分かっていてもやめることができないという恐怖は証券取引が始まる朝9時が近づくにつれて薄れていき恐怖は高揚感と誤解されていく。

そして私の諦めの悪さも相まってお金は減り続けた。

これではいけないと思ったのといよいよ私には圧倒的に実力が足りずもうこれから成長もしない、私には向いていない世界であり、これからも関わりたくない世界であるという意識が芽生え始めた。そして首が回らなくなったのもあって、ある日きっぱりとトレードからは距離を置いた。

そしてトレードを二度とやらないと誓った最大の理由は懇意にしている友人が私のブログのプロフィールに記載してある「数百万の損失」という文言を見て、負けた額にあまりに衝撃を受け、危うく縁を切られそうになったからである。

金はいつでも稼げる、だが一度失った縁は戻ってこないので、こうして私はトレードという名のギャンブルをきっぱりやめられたのである。またバイトや副業で最低限の生活ができるようになったというのも大きい要因だろうとみている。

私は普段、一般的にギャンブルと呼ばれる類のモノはやらない。なぜなら負けるとわかっているからだ。絶対に勝てない運任せだけの世界と知っているので負け戦をあえてやるつもりはない。が、しかし株のトレードだけは違った。実力さえあれば勝ち続けることができると思っていたし今でもそう思っている。ただその実力がまだまだ足りなかったのだ。←この一文で私がギャンブル中毒脳ということがわかるだろう。

ギャンブルはこの国には身近なところであふれている。ギャンブルと聞くと怖いイメージがあるが、意外とみんな賭け事をやっているのである。パチンコ、競馬、競艇、競輪、宝くじ、賭けマージャン(これは違法)。すごく身近である。

ギャンブルはあくまで遊びの一環で基本的にそれで生活を成り立たせようとするのはやはり無理なのである。多くの人間はギャンブル中毒まではいかないのではないだろうか?それなりに負けて懲りて借金をしたり、生活ができない状態には至らない気がする。しかし、私の様に生活が懸かっている人はどうにかして一発逆転を狙ってギャンブルに賭けてしまうのである。それが怖いのだ。

自分の生活が危うく、自分でどうにかしないといけないとき、人は一発逆転の方法にすがる。そしてこの国ではギャンブルへのアクセスが容易である。誰しもがギャンブル中毒に陥る危険性がある。

しかし、これだけは言いたい。

ギャンブルで人生を一発逆転させようとする人間に勝てる博打は無い。

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