あれは去年のそれはそれは暑い夏の日だった。私はスト活(ストリップ劇場で推しを応援するの意)に精を出していたが、ふと将来のことが頭をよぎり、不安と孤独感からか婚活なるものを始めた。
今ではただひたすら踊り子を追っかけていればよかったと後悔している。そして婚活で得た失敗を思い返したくないが、職場やスナック、BARで話したらまあまあウケたのと復讐心を忘れないためにここに記録していく。
今回はパート1っつーことで(他にも色々失敗があるのかよコイツ…)、一番最初にリアルで会うことになった大阪の女について書いていく。
私はその日、出会い系でメッセージを取っていた女性と会う約束をしていたが名古屋駅のあおなみ線の改札前で1時間半待った末にドタキャンされて傷心していた。
その直後だっただろうか、某マッチングアプリ「ペア○ズ」でマッチングした女性とLINEを交換することに成功した。
いいねは無料のくせにメッセージを送るにはお月謝を払わないといけないのクッソ腹がたつ。色恋で男から金をせびるアコギな商売。職業に貴賤はないといえども、流石に…
起業するとなったらロマンスを利用したビジネスを展開してやる!こんちくしょーめ!と心に誓ったものである。
さて、何度かLINEでやり取りをし、ため口をきいたせいで叱られたりすること数日後(たかが1個上じゃねーか)、「大阪で会わない?」と持ち掛けられた。
「なんで名古屋の俺が大阪まで行かなきゃならないんだよ、久しぶりの平日休みだっていうのに。ストリップ行きて―」とはならず二つ返事でノコノコと大阪に行くこととなった。脱毛の体験をするという謎の約束も添えて…この約束がのちの地獄の始まりである。
当日、大阪に早くに着いてやることもなかったので、カプセルホテルの銭湯で心頭滅却する。
約束の12時。待てど暮らせど来ない。
またドタキャンを疑ったとき、一件のLINEが
「仕事でちょっと遅れる」
私は時間通りに来ない、人を待たせる奴は問答無用で嫌いなタイプだ。しかも、てめえから場所と時刻を指定しておいて遅れるとはどういう了見だコノヤローと言った次第ではあるが、是が非でも恋人が欲しかった私は、心斎橋近くの地下街を行ったり来たりして時間をつぶす。
そして、ある女性が声をかけてきた。
(誰やコイツ)
それがその女性に対しての第一印象だった。
(違う、あらかじめ送られてきた写真と違う…)
そこにいたのは明らかに事前に貰った写真とは違う人間だった。たぬかな似の女だった。
その女と喫茶店に入って記憶にも残らないような話をする。
そして小2時間たったころ、その女はこう切り出してきた。
「今日脱毛サロンの体験に行く予定だけど、もしよかったら契約してみない?」
女の話によると80万ほどの脱毛コースプランを勧められた。
私はすぐさま「そんな金はない」とやんわりと断ったが、女は続けざまに
「じゃあクレジットカードを作りましょう!」
そんなパンがなければお菓子を食べればいいじゃない的なノリで言うんじゃねえよと思ったが、人がいい私は喫茶店の机でアコムと楽天のクレジットカードを作ってしまう。
大阪の雑居ビルの無人機でアコムのカードを受け取った時、私は騙されていると思ったがまだ確信が持てなかったので、のこのこと約束の脱毛サロンへ向かった。
おどおどしたイケメン風の若い定員が出迎える。
髭脱毛を体験したのち、畳2畳弱の個室へ案内される。
脱毛サロンの店員さんに脱毛の基礎知識やコースの内容について話してもらったが、どうも彼の説明がたどたどしすぎて、今思えば詰めの甘い詐欺師かタイミーのバイトじゃないとあんなひどい説明はできないだろうなと振り返ってみる。そして彼の説明が終わった後に入ってきたのがあの女であった。
彼女はひたすら私に契約をすゝめ、私が渋るとひたすらに「逃げちゃだめだ」と人格攻撃マシマシで伝えてくる。「ここで契約しなかったら一生逃げ続ける人生だぞ」と、うつ病の私に効きまくるようなセリフを吐きまくってくる。もう何分経ったのか分からないまま、私は怖さと情けなさで半泣きになっていた。
予約していた高速バスはとうに出てしまい、気づいたら個室で2時間も詰められていた。
泣きながら笑顔を振り絞って、逃げるようにそのサロンをあとにし(あ、契約はしてませんよ)、滴る涙を舐めてそのしょっぱさに驚きながら私は新幹線で帰った。逃したバス代と追加の新幹線代ぐらい詫びで返してくれませんかね?はるみさん!
はるみとはそれっきり音信不通である。
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